大阪岸和田市にあるミシュラン2つ星を獲得している名店【喜太八】さんへ行って参りました。
大正2年開業で創業100年。
江戸時代はふぐを食べるのを禁止されていましたが、ふぐ料理といわれるものを始めたのがここ喜太八さんだそうです。
今も現役でふぐをさばかれている大将はなんと90歳。
ふぐの研究者でもあるそうでお店の横にはふぐの博物館も作られていました。スゴイ!
10月ごろから3月末までの営業です。
1日2組限定。6名以上からは団体扱いで1日1組限定。
今年は台風の影響で開業以来一番遅いオープンだったそう。
その開業の日に行ってまいりました!(11月10日)
お突き出しは油を使わずに焼いているふぐの骨せんべい。
ふぐ尽くしの八寸
左からふぐ皮の梅肉あえ、ふぐの胃の梅肉あえ。
上はふぐ皮を5層にわけて4層目の皮を明太子であえているもの。(←マニアックすぎて目が点)
明太子あえは皮1枚に対して山椒の葉も1枚ずつ一緒にいただきます。
端には食用ほおずきのストロベリートマト。
パカッと蓋を開いてびっくり!白子のお刺身。
毛細血管がたくさんで痛みやすいので新鮮なままで冷たいうちにいただきます。
白子のお刺身なんて初めて食べました!
んんん~言うまでもなく絶品♡
そ・し・て!
1番楽しみにしていた福錦という白子の旨煮です。
何コレ~~!と思う初めて感じた食感。
山椒にも合う。ただ一言『最高♡』
白子は味が付きにくい上に煮すぎると溶けてしまう。
ですので時間をかけて低温で煮詰めているそうです。
ふぐの煮こごり
まさにアートです。
とらふぐの皮の湯引きと身の湯引きを8時間以上もかけて作るそうです。
同業者もどうやって作るんだ~と、驚きの一品だそうです。
ずっと眺めていたいくらいキレイ♡
ふぐの高級な希少部位の喉のお肉のさえずりという呼び名はここの大将が名づけられたそうです。
ふぐの主食は甲殻類なのでほほが発達しているので、さえずりは弾力があります。
このコリコリの食感が大好きなんです~!
毎年お伺いしている丸安さんでも焼きふぐでさえずりが出てきます。
待ちに待ったてっさの登場です!
ふぐ屋さんでは最初にてっさが出てくるお店が多いので、てっさまだかな( ^∀^)?まだかな( ^∀^)?と、だいぶ焦らされました。笑
喜太八のてっさは梅肉でいただきます。
今までポン酢+薬味でしか食べたことがなかったので驚き。
そして梅肉が合う合う合う!♡
分厚いてっさの丸安とは対照的に喜太八のてっさは薄いです。
ぶつ切りでは繊維が死んでしまうそうで、切り方にもすごいこだわりが。
なぜならふぐの腰から下の尾の身の部分だから繊維が切れないらしいです。(←変態すぎて付いていけません。笑)
てっさの上は右から煮こごりの皮、生の白子、背中の張りがある部分の皮、端の白く細い部位はヒラメでいうエンガワです。
皮の種類がたくさんあって驚き。
こちらの生の白子は白子本来の旨みを味わうために梅肉で。
2月ごろになるとふぐを触れば白子があるかどうかわかるそうですが(白子は雄のみ)この時期はオスメスが見分けにくく、あればラッキーだそうです。
秋は白子の周りの皮がしっかりしていておいしい時期だとか。
お鍋がスタート。
大将のお孫さんが丁寧に説明しながらお鍋を作り上げてくださいます。
昆布出汁のお鍋で、芯まで炊いてしまわない温度で沸騰させずにお鍋を作ります。
お出汁は濁らず、アクもでず完璧です。
こちらの土鍋は70年ほど使用しており、営業されていない夏の間も週1で湯通しをして大切に使われているそうです。
そんな土鍋でいただくてっちりも最高でした♡
日本酒は岸和田の純米吟醸の地酒。
喜太八さんはドリンクメニューが少ないので、持ち込みは無料でできるそうです。
ヒレ酒も飲みましたよ~。
コラーゲンたっぷりの雑炊が完成。
ふぐの旨みが出ていてとてもおいしかったです。
ふぐは寝かせることによって旨みがでますが、年間を通して味の変化はないそうです。
最後はデザート。
最高においしいふぐ料理を満喫できました。
食べる楽しみだけでなく、お料理を出しながらお孫さんがいろいろなふぐの知識を教えてくださってとても勉強になりました。
博物館で絶品のふぐを食べているような気分!
シーズン中は朝3時半に仕入れに行き、8時にはお料理を開始。
あのアートな煮こごりを作る時は1日がかりなので煮こごりのみに集中する日にもあるそうです。
ここまでのこだわりがあり大切にお料理されたふぐをいただくと、とても幸せな気持ちになりました♡